■厳しいレギュラー争いの野手

 続いて、野手陣はどうか。

「先日、メジャー“96発98盗塁”の大物助っ人・ポランコ(30)の獲得を発表。昨季はテームズやスモーク、ハイネマンと助っ人外国人が一人も戦力にならなかった。今回獲得したポランコが、課題である岡本和真(25)の後を打つ5番に、うまくハマればいいんですが……」(スポーツ紙巨人担当記者)

 原監督は野手陣に関して、「4番・岡本以外はレギュラー白紙」と、すでに明言している。しかし、角氏は、この方針にも異を唱える。

「岡本はもとより、坂本勇人(33)、丸佳浩(32)も動かすべきじゃない選手。好不調の波は誰にだってあるし、あの王(貞治)さんだって“打てるだろうか”と毎年、不安の中で打席に立っていたと聞く。だからこそ、この3人は、どんなに調子が悪かろうと動かさない。逆に言うと、“打線に関しては、この3人が責任を負うんだぞ”ぐらいの全幅の信頼を置いてやればいいんです」

 岡本を固定するとなれば、2番に坂本が入り、3番に丸、4番・サード岡本から、新外国人の5番・ポランコへと続くオーダーが理想的。

「いくらレギュラー白紙化とはいえ、ショート坂本、センター丸は当確でしょう。ポランコ加入で、レギュラー争いが激しくなった外野ですが、ライトには昨季の実績からいっても松原聖弥(26)が有力。次点でケガからの完全復帰が期待される梶谷隆幸(33)。ポランコはレフトに入ると予想されます」(巨人担当記者)

 外野以上に厳しいレギュラー争いが想定される一塁は、中島宏之(39)が濃厚。

「どうやら原監督は、一塁にはウィーラー(35)を起用したいようなんです。しかし、外国人の登録枠は5人。起用は4人までと決まっている。デラロサ、ビエイラ、ポランコが確実となると、ウィーラーの起用は難しい。そのため、昨季まずまずの成績を残した中島が最有力です」(前同)

 一方、角氏は昨年、北海道日本ハムからの電撃トレードで話題になった中田翔(32)をスタメンに推す。

「あれだけの選手ですし、置かれた状況は理解しているでしょうから、本人も今季がラストイヤーぐらいの覚悟で臨むはず。彼が7番あたりで“第二の4番”的な活躍を見せて、100打点近く稼ぐようなら、かなり面白い。誰も3割打てとは思いませんし、彼自身もまだまだ老け込む年齢ではないですしね」

 かねてより一塁コンバートが取り沙汰されてきた大城卓三(28)は、捕手が既定路線だ。

「スタメンを大城、ラスト2イニングを抑え捕手のような格好で小林誠司(32)に任せれば、両者の欠点を互いに補完できるんじゃないですかね。

 神経を使う終盤の負担が減れば、大城も打つほうにもっと集中できるでしょうし、小林のよさも試合に生きる。その間に、大城が名実ともに阿部慎之助の後継者へと成長してくれたら、万々歳といったところでしょう」(前同)

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