■5万5000人のファンが!!

 最後は日本プロ野球キャンプ史上、最大の注目を集めた長嶋茂雄「背番号3番復活」を振り返ろう。

 2000年シーズン、巨人の春季キャンプ。球団からは、この年から長嶋監督の背番号が現役時代の永久欠番「3」に戻ることが発表されていた。

「オフに広島からFAで江藤智を獲得。江藤は広島時代に背番号“33”をつけており、これが長嶋監督の背番号と同じだったため、“33”は江藤に譲り、長嶋監督が背番号“3”に戻ることになったんです」(球団関係者)

 ファンや報道陣は、背番号3“お披露目の瞬間”を逃すまいと、気色ばんでいた。

「系列の日本テレビは4台のカメラを8台、16人の記者を32人に倍増しましたが、各局とも同様でしたね。2月11、12、13日の3連休が“お披露目”になると予想されていました」(前同)

 3連休の初日。宮崎総合運動公園には、4万8000人のファンが殺到。周辺の国道は大渋滞したが、結局、この日のお披露目はなし。決定的瞬間は、翌12日の午後2時半に訪れた。

「混乱を避けようと、球団が“12日にお披露目”と事前アナウンスしたんですが、徹夜で並ぶファンが続出。当日はキャンプ史上最高記録となる5万5000人が見守る中、少し照れくさそうにジャンパーを脱いだミスターの背中が、今でも忘れられません」(スポーツ紙記者OB)

 キャンプを終えるとオープン戦。運命のペナントは、3月25日に開幕する。

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