井上尚弥は5月6日東京ドーム決戦!歴代日本人ボクシング王者99人「最強チャンプは誰だ」の画像
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 ボクシングでは34年ぶりの東京ドーム決戦が5月6日に行われる。主役は“史上最強”井上尚弥(31)。対戦相手は“悪童”ルイス・ネリ(29=メキシコ)。そんな歴史的一戦の前に、日本のレジェンド王者らに“歴代日本人最強ボクサー”について語ってもらった。

KO勝利、防衛、不敗伝etc.データで見えた最強ファイター

「ボクサーを評価するには勝敗だけでなく対戦相手、試合内容などが重視されます。ですが、誰が見ても分かる客観的な指標として勝率、KO率、防衛数などのデータも重要な判断材料になります」(スポーツ紙ボクシング担当記者)

 そこで本誌は、連続防衛回数・勝率・KO率の3項目でトップ3の記録を持つボクサーをリストアップ。

 それぞれの特徴について、ボクシング漫画の傑作『あしたのジョー』の人気キャラクター・力石徹のモデルで、格闘技ライター歴44年の山崎照朝氏に意見を聞いた(以下の発言=山崎照朝氏)。

KO率(KO数÷試合数)

 1位・井上尚弥(26戦23KO)=88%、2位・平仲明信(22戦18KO)=81%、3位・浜田剛史(24戦19KO)=79%。

 やはり1位には井上尚弥が輝いたが、平仲、浜田ら往年の名ハードパンチャーも名を連ねた。

「平仲は沖縄のボクサーらしい、荒々しいファイターだった。具志堅ら先輩が築いた沖縄のボクシングのプライドを感じさせるファイトスタイルは見事だった」

 ボクシングの強豪・沖縄県は浜田の出身地でもある。

「浜田も沖縄出身だが、彼の1ラウンドから倒しにいくスタイルこそボクシングの本質。“やるかやられる”かの勝負を見せないと、あれだけファンを魅了するのは難しいからね」

 荒々しさと獰猛さこそが、KOにつながるのだ。

連続防衛1位はお茶の間の人気者

 1位・具志堅用高(13回)、2位・山中慎介(12回)、3位・内山高志(11回)。

 今や、お茶の間の人気者としての地位を確立した具志堅が防衛回数で1位に。

「彼は別格。もちろん技術もあるが、何よりもハート。気持ちのボクシングなんだよ。気持ちの強い選手はいるけど、具志堅ほどの人はいないだろう」

 惜しくも12回で具志堅の記録を上回れなかった山中に関しては、

「山中のパンチはとてもいい。一発一発がキレイ。ただ、性格が優しいんだな。そのせいで具志堅の記録を抜けなかったのかもしれない」

 そんな山中と内山には共通点があるようで、

「内山も山中と同じで、強い選手はキレイ。姿勢がいい。腰が安定するから重心を乗せて打てる。内山の伸びる右ストレートはトーマス・ハーンズ(米国の5階級制覇王者)みたいで、一番好きだったな」

勝率では竹原慎二も印象的

 1位・井上尚弥(26勝0敗)、中谷潤人(27勝0敗)=100%、3位・竹原慎二(24勝1敗)=96%。

 ここでも、やはり“モンスター”井上が1位。

「パワー系の選手とはパンチの打ち方が違って、一発の力で倒すのではなく、技術で倒す。そういう面では技巧派。テクニックで彼の右に出る者はいないよ」

 ネリ戦でも他の追随を許さないテクニックで勝利を収めることが期待されるが、その井上と同格の強さと山崎氏が語るのが、中谷潤人。

「中谷は強いパンチもあるし、かなりいい試合をしている。なぜ井上ほどの人気がないのか、不思議なくらい。アメリカで修業していたから、日本での知名度があまりないのかな」

 現役最強ボクサーの両名を差し置いて「最も印象的だった」と語られるのが、竹原慎二だ。

「日本で初めてのミドル級世界チャンピオン。ストレートがキレイだった。誰もなれると思っていなかったミドル級で、チャンピオンになったのは大変なこと。

 具志堅の13回防衛もすごいと思うけど、インパクトでは竹原だよ。1回負けて、やめちゃったのが残念だけど」

 負けないボクサーにとって一度の敗北は、引退にもつながる残酷なものなのだ。

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