週刊大衆が選ぶ!パウンドフォーパウンドPFP

1井上尚弥 26勝(23KO)無敗。打たせずに打つボクシングの理想を体現したと言える、非の打ちどころのない日本ボクシング界の最高傑作。試合後、顔に傷を作らないことでも知られる。圧倒的な試合内容で次々と強豪を撃破し、4階級制覇、2階級で4団体王座統一などの偉業を成し遂げたのは、もはや伝説と言っていい。マイク・タイソン、マニー・パッキャオ(フィリピン)らが名を連ねるPFP1位に日本人で初選出。今後は、井上を抜きに世界のボクシング史は語れないだろう。

2ファイティング原田 55勝(22KO)7敗。1団体時代にフライ級とバンタム級の世界2階級を制覇。“黄金のバンタム”と呼ばれた名王者エデル・ジョフレ(ブラジル)に2戦2勝した実績は高く評価され、日本人で初めて世界ボクシング殿堂入りを果たした。休むことを知らないラッシングファイトは“狂った風車”などと呼ばれ、あのマイク・タイソンも参考にしたといわれている。現在は日本ボクシング協会会長、世界チャンピオン会最高顧問を務めるなど、まさに“ボクシング界の象徴”である。

3辰吉丈一郎 20勝(14KO)7敗1分け。“浪速のジョー”の愛称で親しまれた人気ボクサー。勝敗、防衛回数などの数字は歴代王者の中では目立つものではないが、常人離れした負けん気の強さとファイトスタイルから、井上尚弥が憧れのボクサーとして名を挙げるほどの存在。初の世界王座獲得後、2度目の王座獲得後に網膜裂孔、網膜剥離を起こしている。当時のルールでは強制引退だったが、本人の強い希望により、特例で現役の続行が許可された。精神面で右に出る者はいない“魂のボクサー”である。

4大場政夫 35勝(16KO)2敗1分。WBA世界フライ級王座を5度防衛中に交通事故死した永遠のチャンプ。スリムな体形に端正な顔立ちのアウトボクサーで、スタイリッシュな印象ながら不屈の闘志の持ち主。初回にダウンしながらも5回にKO勝ちした最強挑戦者オーランド・アモレス(パナマ)戦、チャチャイ・チオノイ(タイ)に初回ダウンを喫し、さらに右足首を、ねん挫したものの、12回に逆転KO勝ちした最後の試合など、数々の激闘は昭和のボクシングファンの胸を熱くした。

5内山高志 24勝(20KO)2敗1分。アマチュアで全日本王者となるなど、テクニック面での評価も高いが、爆発的なパンチ力が最大の武器だろう。相手を破壊するような豪快KOを量産して“ノックアウト・ダイナマイト”と呼ばれた。世界的に強者が集まる階級とされ、層が厚いスーパーフェザー級でWBA王座を11度防衛した点も大きなポイントである。だが、周囲から期待され、本人も熱望していた海外進出という夢がかなわず、世界的な評価を得る前にキャリアを終えたのは残念だった。

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