ニューミュージックのジャンルからも、多くの名曲と歌姫が生まれた。前出の北川氏が、高校生だった2人に惚れ込み、世に送り出したのがシモンズだ。田中ユミ(63)、玉井タエ(63)の2人は、1971年(昭和46年)にデビュー曲『恋人もいないのに』で一躍、人気者になる。「当時、若い女性のフォークデュオは珍しく、アイドル的な人気を得たんです。いつも人が殺到するので、警備員がついて、本人たちはフラフープの輪の中に入って歩かされていました。それは、熱狂的ファンが近づき過ぎないための苦肉の策だったんですね」 玉井の脱退後、田中は新メンバーを迎え、シモンズとして活動していた時期もあったが、現在はソロに。「今の彼女は40代にしか見えない美魔女です。ソロでライブ活動を展開。ラジオDJもこなしてます」(レコード会社制作スタッフ)

 ユーミンこと松任谷由実(62)は、72年デビュー(当時は荒井由実)。広島カープが初優勝した75年に、バンバンに提供した『いちご白書をもう一度』、自身の『あの日にかえりたい』を連続ヒットさせた。同年にデビューしたのが、中島みゆき(64)だ。今も歌い継がれる『時代』は同年発売の2作目のシングルで、2年後の『わかれうた』のヒットで確固たる地位に。今年、松任谷は年末から全国ツアーを予定。中島も断続的にツアーを続ける。

『木綿のハンカチーフ』(75年)を歌った太田裕美(61)はフォーク系ながら、アイドル性が高かった。「この9月に40年の歴史を終える漫画『こち亀』の初期にはアイドルのような扱いで登場しますし、『キン肉マン』の主人公は彼女のファンという設定です」(昭和文化研究家のミゾロギ・ダイスケ氏) ルックスは今も変わらず。コンサートを各地で開催し、ザ・ピーナッツのトリビュート盤にも参加した。

『どうぞこのまま』の丸山圭子(62)、『池上線』の西島三重子(66)、2人の美人シンガーソングライターが注目を浴びたのはロッキード事件が騒がれた76年だ。「ともに、今も頻繁にライブを開催。丸山は、洗足学園音楽大学客員教授という肩書もあります」(前出の音楽ライター)

 78年、八神純子(58)は『みずいろの雨』を、渡辺真知子(57)は『迷い道』『かもめが翔んだ日』をヒットさせた。「ぽっちゃり体型だった八神は今はスレンダー美人で、痩せていた渡辺は年齢相応の貫禄を身につけています。どちらも、歌唱力に磨きをかけて活動中です」(前同)

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