●どんな花がお供えに適している?

 故人が愛した花があるなら、それを供えるに越したことはない。ただ、供養する側が扱いやすい花、季節によって手に入りやすい花を選ぶのも選択肢のひとつだ。菊やカーネーションなどがポピュラーだが、これらは日持ちしやすいことから選ばれる傾向にあり、仏花選びに関して特に決まりはない。ただ、トゲや強烈な匂いがあったり、花びらや葉が落ちやすいものは避けたほうが無難だ。春ならマーガレットやアイリス、秋ならコスモスやリンドウがおススメ。

 特に秋彼岸は残暑の時期ため、切り花を7日間持たせるのは難しい。カットする際は、水切りといって、茎の切る部分を水の中に浸けながら斜めに刃を入れると、水の吸い上げがよくなる。水は毎日交換し、そのつど茎の先端を水切りするといい。また、花器の中に10円玉を入れておくと、長持ち効果がある。

●なぜおはぎを食べるの? おはぎとぼたもちの違いは?

 日本で小豆は古来から、赤い色に魔除けのご利益がある食べ物とされていた。祝いの席で赤飯を炊くのも同様の理由だ。さらに、その収穫期は9月下旬~10月。採れたての小豆であんこを炊いて、先祖に供えたのだ。明治時代まで砂糖はめったに食べられない高級品だった。それまでの長い間、塩味が主流だったのだから、甘いおはぎはハレのお供え物だった。

 漢字にすると「おはぎ=御萩」に「ぼたもち=牡丹餅」と書き、どちらも季節の花に由来する。そのため、秋に食べるのが小ぶりのおはぎ、春に食べるのが大輪の花のように大きなぼたもちと唱える説もうなずける。

 一方、おはぎは粒あんで、ぼたもちがこしあんだとする説も存在。収穫したばかりの新鮮な小豆は秋彼岸で皮ごと堪能し、保存しておいたものは皮をこして春彼岸で味わっていたとか。米の種類がもち米かうるち米か、きな粉の有無など、おはぎとぼたもちの違いについては、諸説乱立している。現在はおはぎという名前のほうが、全国的に市民権を得ているようだ。

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