会社員にとって、季節の変わり目とともに忍び寄るのが人事異動。勤務地が変わらず部署が変わることもあるだろうが、全国展開している企業に多いのは転勤だ。正社員として働いている以上、会社の辞令は絶対なのか? もし転勤の内示がでたらどう行動すればいいのか。今回は、突然、人事から内示がでたときのために、転勤について知っておきたいことをまとめてみた。
■日本のサラリーマンに転勤が多いワケ
従業員を異なる勤務地に配置転換することを、転勤という。日本のサラリーマンには転勤が多いイメージがあるが、海外はどうなのか?
実は、ほとんどない。海外では、事業の計画により仕事場が変更されることにならない限り、異動を命じられるケースは少ない。海外のビジネスマンは日本のように、会社に入る=就職ではなく、会社の“職”に就く=就職だからだ。日本には“転勤族”という言葉があるように、日本のサラリーマンの歴史は、転勤の歴史ともいえる。日本と海外の社員の雇用の違いは、終身雇用制があるか否か。終身雇用という日本独自の制度が、転勤族を生み出した側面を持つ。企業の成長のため、人員が足りない部署で新人をイチから育成するより、即戦力として既存の社員を差し向けたほうが、効率的なことがあるからだ。
転勤が多い業種、職種ランキンングの上位にいるのは、銀行と商社のようだ。広範囲にわたって事業を展開していることもあり、近いエリアへはもちろん、海外への転勤もある。次に建築系。建設現場によって勤務場所も変わっていく。こちらも大企業であればあるほど、発展途上国などへの転勤の可能性もある。公務員も意外に多い。地方公務員の場合でも同じ都道府県内といえど、居住地を変更せざるを得ない転勤がある。
転勤の多い時期は四半期の最初の月で、4月、7月、10月。この中では意外に4月が少ない。4月はほとんどの企業が新入社員の育成に時間をとられ、転勤にパワーがさけないからだ。