■90年中盤~90年代後半〈J-POPとCDバカ売れの時代〉

ミリオンセラーが続出し、ミュージシャンとアイドルの結婚ラッシュが起こる

 93年頃から「J-POP」という言葉が一般化。ビーイング系ミュージシャンが席巻した時期があり、その後、小室サウンドの未曾有のブームが起こる。90年代はCDが黙っていても売れた時代で、ミリオンセラー、ダブルミリオンセラーが続々と誕生した。90年代後半になると、ビジュアル系バンドやR&Bの大旋風が起きている。そんな時代の音楽シーンからも、アイドルと結婚したミュージシャンが続々生まれている。

94年▶渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET)&ちはる〈*〉
97年▶前田亘輝(TUBE)& 飯島直子〈*〉
98年▶まこと(シャ乱Q)&富永美樹(元フジテレビアナウンサー)
99年▶西川貴教&吉村由美(PUFFY)〈*〉
99年▶IZAM&(SHAZNA)&吉川ひなの〈*〉
99年▶NATCHIN(SIAM SHADE)&伊藤かずえ〈*〉
00年▶桜井和寿(Mr.Children)&吉野美佳(ギリギリガールズ)
00年▶真矢(LUNA SEA)&石黒彩(元モーニング娘。)
00年▶Hyde(L'Arc~en~Ciel)&大石恵
02年▶松岡充(SOPHIA)&黒澤優
02年▶TERU(GLAY)& 大貫亜美(PUFFY)
06年▶IZAM(SHAZNA)&吉岡美穂
07年▶tetsu(現・tetsuya/L’Arc~en~Ciel)&酒井彩名
13年▶川辺ヒロシ(TOKYO No.1 SOUL SET)&加藤紀子
15年▶吉井和哉(THE YELLOW MONKEY )&眞鍋かをり

 CDバカ売れ時代の大きな特徴は、ビジュアル系のフォルダに入れられるバンドメンバーのアイドルとの結婚率が極めて高いことだ。LUNA SEAの真矢はモーニング娘。のオリジナルメンバーである石黒彩とゴールイン。L’Arc~en~Cielは、ヴォーカルのHydeがキャスターの大石恵と、tetsu(当時)は、日テレジェニックだった酒井彩名とそれぞれ結婚。GLAYのTERUの配偶者はPUFFYの大貫亜美だ。

 その他、SIAM SHADEのNATCHINは、80年代にいわゆる大映ドラマのヒロインとして知られる伊藤かずえと、SOPHIAの松岡充は映画監督・黒澤明の孫で70年代アイドルだった林寛子の娘である黒澤優とそれぞれ結婚している。

 女装して売り出したSHAZNAのIZAMは、吉川ひなのとのスピード離婚後にグラビアシーンで大人気だった吉岡美穂と再婚するアイドルキラーぶりを見せている。

 商業的に成功したということも大きいのだろうが、ものすごい高確率。ビジュアル系バンドとしてデビューすることが、アイドルとの結婚への近道なのか?

 ということで、前篇はここまで。2000年代以降は後篇で分析したい。

◎2019年7月26日現在。芸名、所属などは当時。〈*〉はすでに離婚。文中敬称略。

アイドルと結婚できる職業

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