■加藤の視聴者と一緒に学んでいくスタイルが支持

『モーニングショー』に次ぐ世帯視聴率2位につけているのが『スッキリ』だ。

「さすが番組開始から16年目ということもあり、加藤さんがコメンテーターに振っていくテンポ、スピード感がとにかくいい。一番の特徴は加藤さんの受け答えではないでしょうか。加藤さん本人は、事前に新聞などで情報をインプットして、取り上げるニュースについて理解しているのでしょうが、“わかっていない”というスタンスで番組を回していくんです。

 たとえば“報道ではこうでしたけど、実際どうなんですか?”といったように専門家に話を振っていく。そしてその専門家の説明に対して、“そっかぁ!”や“そういうのもありなのかぁ”といったように、視聴者と同じ目線になってニュースを理解していく、学んでいこうという立場なんです。“そうかあ”といったワードは、加藤さんは意図的に使っていそうです。

 加藤さんは専門家に、新聞に書かれていることをより簡単に、理解しやすいように噛み砕いて説明してもらおう、という考えのもとで、番組を進行している気がしますね」(前出の民放キー局ディレクター)

 4月14日の『スッキリ』では、一時期は最大で1日6万人の感染者数が出たイギリスが今、1日の新規感染者数が3000人台と、現在の日本と同じ水準にまで抑え込むことができているというニュースを紹介。

「たしかにイギリスはロックダウンを実施し、ワクチン接種も進んでいます。ただ、加藤さんはこのニュースに対して、“報道する我々は気をつけないといけない”と前置きし、“このニュースはイギリスがすごいということを伝えるものではない”と語り、“日本はロックダウンもしないで最大でも8000人弱なのはすごいこと”といったコメントをし、それに視聴者からは、“イギリスが大成功したという印象を与える報道は間違っているという加藤さんが正しいと思うなあ”といった声が上がっているんです。

 視聴者からしてみたら、加藤さんが共感できるようなことを言ってくれる、というのは心強いですし、見ていて気持ちがいい。ニュースの見方も視聴者目線で噛み砕いて伝える姿勢が加藤さんにはあり、そういった点で『スッキリ』が支持されているというのはあるでしょうね」(前同)

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