■保育園、幼稚園の運動会

 小学校就学前の子どもたちが通う保育園、幼稚園でも運動会は積極的に取り入れられている。都市部の場合、園庭が狭い場合も多く、そういった保育園や幼稚園は、近所の小学校のグラウンドや体育館を借りて開催される。小学校と比べると、和やかなムードの中で行われる傾向にあるものの、場所取りや勝敗や役割をめぐってトラブルが起こることも少なからずある。

 その他、特別支援学校、企業、地域などでも運動家は積極的に行われている。企業の運動会では、部署ごとにチームを結成されたり、優勝したチームには賞金や景品が贈呈されたり、従業員の家族も参加できたり、といった特色がある。

 地域の運動会は「住民運動会」とも呼ばれ、町内ごとにチームを結成して老若男女が一丸となる。現代の日本社会で地域の各世代が交流できるイベントは少なくなっており、地域を活性化させたり、親睦を深めたりするためのきっかけにもなる。

■運動会を行わない学校もある

 多くの学校で行われている運動会だが、実は、全国の中学校における運動会の実施率は2009年の時点で94%で、100%ではない。とりわけ、福島県内には運動会を行わないという中学校が多数存在しているのである。

 近年、小学校や中学校の教員は総じて忙しく常にオーバーワークであることが問題視されているのだが、その要因のひとつとして、「一度はじめたものを中断させることが難しい」ことが挙げられており、運動会や合唱コンクール、二分の一成人式などといった学校行事および準備、練習も当てはまる。そういった現状を踏まえると、運動会を行う習慣のない福島県内の中学校を羨ましいと感じる教職員も少なくないかもしれない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7