異なる文化圏の衝突が描かれる視野の広さ

「サヨナラの意味」MVが地域的なコミュニティでのストーリーであったのに対し、「鳥,貴族」では公権力による排外的な政策を想起させつつ、異なるエスニシティや文化圏の衝突が描かれ、視野が広くとられると同時に、現在観る者にとってよりアクチュアルな物語が展開する。

 作品の尺が短い個人PVや楽曲のMVに比べ、独立したドラマ作品として制作される『乃木坂シネマズ』は、これまでの乃木坂46の映像コンテンツとはまた違った射程を獲得している。

 もちろん、グループが高い知名度を得て多忙になってゆく中で、かつてほどのペースで個人PVを制作できない現在の乃木坂46にあっては、あらためてメンバー個々人にスポットを当て演技のための場を確保することも必要になる。『乃木坂シネマズ』はそうした機能を兼ねてもいるだろう。その意味でも、『乃木坂シネマズ』は、乃木坂46の紡いできた映像作品群の正統な進化系といえる。


 

乃木坂46「個人PVという実験場」

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