タイトルの通り、このドラマで中田が演じているのは、登場人物の女性が長年愛用してきた電子ピアノである。音楽の道に進むことを志していた女性がいつしか行き詰まり、慣れ親しんだピアノをついに処分しようと決める。

 幼少期からの彼女を見守ってきたピアノ=中田は自分が捨てられようとしていることを知り、なんとか説得しようと彼女に届かない声で思いの丈を伝え続けるうちに――。

 魂をもつ存在として立ち振る舞い、登場人物を見守り続ける電子ピアノのありようはまた、登場人物自身が身の回りの事物に寄せる思い入れの投影でもある。人生に伴走してきた身近な家財道具にささやかなアニミズムを託したこのドラマもまた、非人間の魂を表現する役割を中田にあてながら、人とモノとのハートフルな関わりを描いている。

乃木坂46「個人PVという実験場」

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