舞台上をはじめとして劇場空間内を駆使したこのMVで浮かび上がるのもやはり、荒船の代表的なイメージであるスペクタクルではなく、メンバーの身体性やカメラワーク、照明などの連携による長回し映像の妙である。

 落ち着いたトーンの中に張り詰めた緊張感をみせる本作は、乃木坂46×荒船泰廣のフィルモグラフィーにおける新たな局面を示している。

 もっとも、このMVはラストシーンで明確にワンカットではない処理がなされる。しかし、それはここまでの一連の流れを断ち切るものではない。映像全体が冒頭に立ち戻り円環構造になることで、彼女たちの歩みはまだ見ぬ未来へと続いていく。

乃木坂46「個人PVという実験場」

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